はじめに
カバレッジパネルは「テストの観点」や「目的の割合」の網羅性を視覚的に把握できる機能です。
テストケースの実施消化数は、定量的な進捗把握*1において重要な指標ですが、その反面、どんな「目的」や「観点」でテストを実施したのか?が見えづらくなってしまうという欠点があります。
「カバレッジパネル」機能は、このような欠点を補うために、定量的な進捗把握はそのままに、さらに定性的な進捗を表現する方法はないか、という課題を解決するために生まれたQualityForward独自のレポート機能です。テスト結果はリアルタイムに集計され、割合ごとのPass率も併せて確認することができます。
カバレッジパネルを設定することで、「対象のテストスイートに必要な観点が入っているか」や「テスト観点の割合が想定どおりになっているか」といったテストケースの網羅性を視認することができます。
【カバレッジパネル】
パネルの表示カラーはPass率により変動します。
*1【定量的な進捗把握】
カバレッジパネル設定の事前準備
プロジェクトでどういった区分を表示するかを定義します。
いくつかの例を紹介しますが、カバレッジの基準はプロジェクトにより異なり、適切な区分はそのプロジェクトで検討していく必要があります。
カバレッジの区分方法サンプル
例1)機能名による区分
テスト対象により、機能名は大きく変わりますが、QualityForwardを例に挙げると、以下のような機能が上げられます。
- ユーザ管理
- プロジェクト管理
- テストスイート管理
- テストフェーズ管理
- テスト結果入力
- レポート機能
- BTS連携
- Web API
- チームWiki
例2) 品質特性による区分
プロジェクトによっては品質特性でカバレッジを確認したい場合もあります。そういった場合には、以下のような品質特性でテストを分類することもあります。
- 機能テスト
- 互換性テスト
- 使用性テスト
- 信頼性テスト
- セキュリティテスト
- 保守性テスト
上記にあげた以外にもプロジェクトで取り決めたテスト指標があれば、そちらをカバレッジの区分として設定することで視覚的に網羅性を確認できるようになります。
定義するタイミング
カバレッジに利用する区分の定義は、テスト設計フェーズの前工程(テスト方針を決める際など)で、粒度を取り決めましょう。
プロジェクト全体で基準を合わせることで、定性的なデータを比較することもできるようになります。
また、取り決めた区分はQualityForwardの「ダッシュボード」や「チームWiki」にまとめておくと一元管理できます。
カバレッジパネルの設定方法
(1) 左メニューの「テストスイート」ボタンをクリックします。
(2)任意のテストスイート名の下の「設定」ボタンをクリックします。
(3)”テスト定義の自由項目設定”の”カバレッジパネル設定の有効化”にチェックをいれます。
(4)ラベル横のラジオボタンが有効になり、カバレッジパネルで利用する区分を選択できるようになります。
テストスイートごとにカラムを設定できるため、テストスイートごとにフォーマットが変わっていても、柔軟に対応が可能です。
カバレッジパネルの確認方法
カバレッジパネルは、以下の3か所で確認することができます。
テストスイートのカバレッジパネル
テストスイート一覧ページからカバレッジパネルを表示できます。
(1)左メニューの「テストスイート」ボタンをクリックします。
(2)任意のテストスイートの「カバレッジパネル」をクリックします。
プロジェクト全体のカバレッジパネル
レポートからプロジェクト全体のカバレッジパネルを表示できます。
(1)左メニューの「レポート」ボタンをクリックします。
「プロジェクト全体のレポート」と「フェーズ一覧」の下にプロジェクト全体のカバレッジパネルが表示されています。
テストフェーズのカバレッジパネル
レポートから各テストフェーズのカバレッジパネルを表示できます。
(1)左メニューの「レポート」ボタンをクリックします。
(2)任意のテストフェーズの「チャート」ボタンをクリックします。チャート画面の末尾にテストフェーズ配下の、全テストスイートのカバレッジパネルが表示されます。
まとめ
開発プロジェクトにおけるテストフェーズは、規模やプロジェクトの種類によってさまざまな様相を呈し、一概に何をもって「進捗」とするのか掴みにくい側面を持ちます。
テストケースの実施消化数などの進捗ももちろん大切ですが、今回ご紹介した「カバレッジパネル」をはじめ、Qualityforwardにはテストマネジメントに求められるさまざまなレポートが搭載されています。
これらのレポートはぜひ「2つ以上」組み合わせて「多面的」に進捗を把握することで、現場で本当に起きていることをより把握しやすく、よりスマートなテストフェーズの進行をサポート致します。